この本は岸田秀さんがあちこちの新聞や雑誌に書いた文章を集めたものです。
岸田秀さんの著作はこの形式が多いです。
今回も最初から最後まで面白かったです。
ここ最近の日本抱える問題を分析されていて、頭の中のもやもやが
スッキリしました。
中国との関係、韓国との関係、アメリカとの関係、草食男子、原発問題
日本人の対人恐怖症すべてがペリーの黒船ショックなどの歴史が
原因であると書いています。
以前はそんな昔の出来事が現代日本の抱える問題の原因だとは
とても思えなかったのですが今ではそうなのかなと思っています。
日本とアメリカとの問題が解決しない限り韓国との関係も
解決しないとも書いています。
つまり解決することはほぼないのでしょう。
それぞれの国が隠蔽した過去を認めない限りは。
岸田秀の唯幻論は自分と他者(世界)との関係を説明してくれます。
これを知っておくことは生きていくことに役に立ちます。
わたしとしては学生時代から神経症などで悩んでいました。
岸田秀を知ったのは社会人になってからですがずいぶん助けられました。
いままでの世界への認識方法とは相当違う捉え方ですから、
頭の中では理解したと思っていても現実はなかなかうまく
いかないことが多いです。
しかし、以前よりはずいぶんと生きるのが楽になりました。
今の日本のニュースで報道されている論調になにか違和感がある、
納得がいかないと思っている方はぜひ読んでもらいたい作品です。
- 作者: 岸田秀
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2014/05/16
- メディア: 単行本
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