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【読書感想】「相応部経典 第六巻 (原始仏典II)」相応部の最終巻!

相応部経典 第六巻 (原始仏典II)

 

これで相応部全て読了です!

 

長部経典、中部経典、増支部経典もすでに読んだので主要な原始仏典は

一応読んだことになります(多分)。 

 

図書館に感謝してもしきれません!

原始仏典は1巻1万円くらいします。

増支部経典は南伝大蔵経というもう発売していない

昔の本でしか日本語訳がないので図書館で借りる以外無いのです

(オンデマンド版は販売しています)。

 

第5篇 「正しい奮励」に関する集成

第6篇 「力」に関する集成

第7篇 心がけに関する集成

第8篇 アヌルッダに関する集成

第9篇 瞑想に関する集成

第10篇 呼吸についての集成

第11篇 流れへの到達についての集成

第12篇 真実についての集成

 

感銘を受けた部分がありましたので。経典から一つ引用します。

 

少し長いです。

 

アーナンダ尊者とウンナーババラモンとの会話です。

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「友よ。アーナンダよ。何の目的のために、修行者ゴータマのところで宗教的実践をするのか」。

「バラモンよ。欲求を断つために、尊き師のところで宗教的実践をするのだ」。

「友よ。アーナンダよ。この欲求を断つための道があるか、修行道があるか」。

「バラモンよ。この欲求を断つための道がある。修行道がある」。

「友よ。アーナンダよ。この欲求を断つためのどんな道があるか、どんな修行道があるか」。

「バラモンよ。托鉢修行者が、

欲求によって精神集中を得ようと奮励し行動する心がけを修行する。

努力によって精神集中を得ようと奮励し行動する心がけを修行する。

心によって精神集中を得ようと奮励し行動する心がけを修行する。

思惟によって精神集中を得ようと奮励し行動する心がけを修行する。

バラモンよ。これが、この欲求を断つための道である。これが修行道である」。

「友よ。アーナンダよ。もしそうなら、現実のことが、非現実のことになってしまう。

欲求によって、欲求を断つということには、道理が見られない」。

「バラモンよ。それなら、あなたに訊こう。思うとおり答えてくれ。

バラモンよ。これをどう思うか。あなたは以前には公園で住みたいという欲求があったが、公園に到着したときには、その欲求は消えている」。

「友よ。そのとおりだ」。

「あなたは以前には公園で住みたいという努力があったが、

公園に到着したときには、その欲求は消えている」。

「友よ。そのとおりだ」。

「あなたは以前には公園で住みたいという心があったが、公園に到着したときには、その心は消えている」。

「友よ。そのとおりだ」。

「あなたは以前には公園で住みたいという思惟があったが、公園に到着したときには、その思惟は消えている」。

「友よ。そのとおりだ」。

「バラモンよ。同じことだ。弟子であり、尊敬されるべき人であり・・・解脱した者は、以前には尊敬されるべき人になりたいという欲求があったが、尊敬されるべき人になったときには、その欲求は消えている。

以前には尊敬されるべき人になりたいという努力があったが、尊敬されるべき人になったときには、その努力は消えている。

以前には尊敬されるべき人になりたいという心があったが、尊敬されるべき人になったときには、その心は消えている。

以前には尊敬されるべき人になりたいという思惟があったが、尊敬されるべき人になったときには、その思惟は消えている。

バラモンよ。これをどう思うか。そのようなことは、現実か非現実か」。

「友よ。アーナンダよ。実に、そのようなことは、現実だ。非現実ではない・・・」。

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よく仏教的な本では、

 

「がんばらない」、「ほどほどに生きる」、「のんびり生きる」、「あきらめる」

などと教えるものがあります。

 

わたしもこの手の本は大好きでよく読んでいました。

仕事などでうまくいかないときはそういう類の本を読みあさります。

 

その本を読むと少し心は落ち着くのです。

現実が辛かったら逃げればよいのだと。

 

しかし、現実に対する不安はそこまで無くなりませんでした。

 

この経典のように、自分の好きな事、自分にとって善となることに

大きな欲をもって、徹底的に頑張る必要があるのでないかと思います。

 

がんばって、がんばって、がんばって、うまくいくならそれでいい。

 

がんばって、がんばって、がんばって、がんばってもうまくいかない。

 

もうこれ以上がんばれない。このような状態になってから

「がんばらない」、「ほどほどに生きる」、「のんびり生きる」、「あきらめる」

ことができるのではないでしょうか。

 

相応部経典 第六巻 (原始仏典II)

相応部経典 第六巻 (原始仏典II)